突然の警告で申し訳ありません。
ただ、このアイアンは、英国最大のゴルフ雑誌『Today’s Golfer』で2023年行なわれた
2023ブレードアイアン5選で
80本以上の種類のアイアンからのベスト5に選出された内の1本ですが、
その中でも
そのため「高いコントロール精度でパーオンを狙う方向け」のため、
逆に言えば100切り以上のレベルを目指していない方にとっては、
その魅力は半減してしまうかもしれません。
なぜならスイングがまだ安定せず、ある程度方向をまとめられる技量がないのであれば、
無理にこのアイアンを使わなくても良いと考えられるためです。
アイアンでグリーンを狙うのが難しいなら、
近くまで刻んで寄せて、そこから着実にウェッジで決めていく方が堅実ですし、
それならより飛距離だけに特化したアイアンの方が射程も長いうえに、
安定性が低くても大きな問題になりません。
しかし、一方で、、、
もし100切り・90切りを安定させたいと考えていたり、
その先のスコアアップを本気で目指しているのであれば、
このアイアンはまさに最適なクラブと言えるでしょう。
なぜなら、ボールコントロール精度の指標となるデータも含め、
このアイアンは2023年に販売されているアイアンの中でも
トップクラスの評価を受けたアイアンだからです。
ただ、いくら操作性が良くても、飛距離がガタ落ちしては意味がありませんよね?
本来飛距離を伸ばせば、その分コントロールの精度も困難になっていくものですが、
このアイアンは飛距離・コントロール精度の両面とも最高峰の評価を獲得し、
海外のゴルファー達を唸らせた異端なアイアンなんです。
しかし、なぜそんな
両取りの性能を実現することが可能なのか?
その理由は、このアイアンのメーカー「VEGA(ベガ)」のルーツにありました。
そして、なんとそのルーツは日本に関係していました。
その証拠に、英国のブランドであるはずのこのアイアンには、ハッキリと
その理由と、このアイアンの高い性能の秘密をこれからお話していきます…
このVEGAは、現在英国のメーカーとして
ヨーロッパを中心に広く愛されています。
しかし実は、そのルーツは昭和初期から続く
日本のアイアンヘッド製造の始まり歴史から
来ていました。
もともと神戸周辺の地域では日本刀などの
鍛造技術が盛んでしたが、
1901年に神戸に日本初のゴルフ場
「神戸ゴルフ倶楽部」が出来たことで、
この技術を用いたゴルフクラブ作りが始まり、
日本のアイアンヘッド製造の始まりの地と言われています。
そこで作られた日本製ブランドこそが
「VEGA(ベガ)」でした。
神戸自体が港町であることで海外からの人気も高く、
日本刀作りで培われていた鍛造技術のクラブは非常に高い性能と、
唯一無二の打感で好評を博していました。
しかし近代における産業の変化によって
ゴルフクラブの製造が職人の技術や勘による体制から、
近代化による機械化・大量生産化に移行したことで、
鍛造技術による品質の高さが売りだったVEGAアイアンは衰退を余儀なくされます。
しかしその鍛造技術・品質の高さを惜しみ、
英国のメーカーがその技術をブランドごと買収することで繋ぎ留めたため、
今でも英国で愛され、アイアンランキングで選出されるほどに
優れたアイアン製造の技術が、現代でもなお残っているのです。
そして今でもそのルーツを忘れず、
日本の鍛造技術への尊敬を込め今でもVEGAアイアンのヘッドには
JAPAN FROGEDの文字が刻まれています。
そしてこのアイアンは海外メーカーとなり、
新たな進化を遂げました。
具体的に言えば、同じボール初速だとしても、
打ち出し角度やスピン量によって
ボールの飛距離は変わり、
そのコントロールの難易度も変わってきます。
そういった正確な重心位置の設計や緻密なデータに基づいた分野は
海外が一手先に発展しており、そうしたエッセンスを加えつつ、
日本の鍛造技術を継承することでVEGAは日本の鍛造技術と
海外の解析による設計技術の2つが融合したのです。
もともと打感の良さや操作性の良さで
好評を博していたアイアンでしたが、
製造過程におけるより精密で膨大な
データ測定における開発過程が加わったことで、
より高い飛距離性能を付与しながら、
操作性がより向上していきました。
『Today’s Golfer』は英国で
最も売れているゴルフ雑誌ですが、
その中の検証企画として2023年ブレードアイアン
ランキングを発表しました。
この検証では83本ものメーカー・モデルの異なる
7番アイアンが用意され、
それを高い信頼性・再現性に基づいて比較するため、
計測器として最高峰のGCクワッドの仕様はもちろん、
プロのテスターであるニール・ウェインが全ショットを担当しました。
ニールはこの検証の中で、
170~200ヤード先のグリーンへ打ちましたが、
85%以上をグリーンオンし、
検証中にホールインワンを達成、
何度もフラッグにボールを当てるほどの腕前の持ち主です。
彼のお陰で、非常に高い信頼と再現性で
83本のクラブデータを計測・比較出来ましたが、
その中でも異様な結果を出したのが、このVEGAアイアンでした。
この83本の中でトップの結果を出した
5本のアイアンが選ばれましたが、
その選出された理由は様々でした。
大まかな項目として、飛距離と操作性を測る指標として
などの部分を特に評価し、これらの項目でTOP3のアイアンを
ランキング付けしていましたが、当然、
飛距離の性能が優れていても安定性の低いアイアンや、
ズレは少なくても飛距離の低いアイアンは評価が低くなってしまうため、
多くのアイアンはそれぞれの特徴によって評価が一長一短という印象でした。
しかしそんな中で、先に挙げた飛距離・安定性に関する
4項目の全てでTOP3に選ばれた、異常な総合力を持ったアイアンが、
このVega VMB アイアンでした。
しかもVEGAを試打したテスターからは、こういった評価のほかにも
など、打感・デザインなどランキング外の部分の面でも非常に高い評価を得ていました。
その秘密を、1つずつ紐解いていきます。